ぬけぬけと大言壮語する
弟子:
今度は、「あの手のぬけぬけと大言壮語する
輩は、自分の言葉に足をすくわれるからな、
見てろ」の 「ぬけぬけと大言壮語する」です
が・・・?
先生:
“大言不惭 dàyánbùcán”
などと言うよ。
“那些不经选举产生的议员,又有什么
资格大言不惭地代表市民发言?”
を訳してご覧。
弟子:
「あれらの選挙を経ずして議員になりあがった
連中が、市民を代表してるって、そんな
思い上がったことを言えるのか?」
弟子:
今度は、「あの手のぬけぬけと大言壮語する
輩は、自分の言葉に足をすくわれるからな、
見てろ」の 「ぬけぬけと大言壮語する」です
が・・・?
先生:
“大言不惭 dàyánbùcán”
などと言うよ。
“那些不经选举产生的议员,又有什么
资格大言不惭地代表市民发言?”
を訳してご覧。
弟子:
「あれらの選挙を経ずして議員になりあがった
連中が、市民を代表してるって、そんな
思い上がったことを言えるのか?」
弟子:
今度は、「あらあら、こんなに濡れ鼠に
なって。さあ、家に入りなさい」の「濡れ
鼠」ですが・・・?
先生:
“落汤鸡 luòtāngjī”
などと言うよ。
“大队几百号人,落汤鸡般
站在河堤上。”
を訳してご覧。
弟子:
「大隊の数百人が濡れ鼠さながら、
堤に上がった。」
弟子:
今度は、「コラ!抜き足差し足で逃げようったって
逃がさないぞ」の「抜き足差し足」ですが・・・?
先生:
“蹑手蹑脚
nièshǒunièjiǎo”
などと言うな。
“男子半夜蹑手蹑脚地抱被褥
挪窝,误被当贼。”
を訳してご覧。
弟子:
「夜中に布団を抱えて、抜き足差し足で、
寝床を換えようとした男が、泥棒と
間違えられた。」
弟子:
今度は、「あの野郎はぬすっとだ。まさに、盗人
猛々しいで、金を返さないどころか、俺の悪口を
言いたい放題だ」の「盗人(ぬすっと)猛々しい」
ですが・・・?
先生:
“债户凶巴巴的
zhàihùxiōngbābāde”
などと言うな。
“债户不付款,催多了现在债户
凶巴巴的,电话挂掉或不接,
怎么办?”
を訳してご覧。
弟子:
「借り手が金を返さないので、何度も催促
したら、今度は、盗人猛々しいで、
電話はガチャンと切られるわ、
電話には出ないわで、困っています。
どうしたらよいのでしょうか?」
先生:
そんなの簡単さ、「携帯メール」を打てば
いいよ。
弟子:
????
弟子:
今度は、「濡れ手で粟とは、この事ですね。
儲かる時は儲かるもんですね」の「濡れ手
で粟」ですが・・・?
先生:
“不劳而获 bùláo’érhuò”
などと言うな。
“取消遗产税将使亿万富翁的
孩子不劳而获,使富人永远富有,
使穷人永远贫穷。”
を訳してご覧。
弟子:
「相続税をなくせば、億万長者の子供達を
濡れ手で粟にするばかりで、金持ちはま
すます富み、貧乏人はますます貧窮する
だけだ。」
先生:
わしも、金持ちの子供になってみたいな。
どんな気持ちだろうな?
自分で汗水たらすことが全くないんだぜ。
それでいて、
「国家の懐は苦しいんだぞ!
そこのところをよく考えろ!」
などとほざいてみたいよ。
弟子:
先生、今日は、ずいぶんと、
気が立っておられますね。
先生:
金持ちだったら、「生前贈与」などと「節税」など
考えずに、「病院」や「学校」や「奨学基金」でも
ぶっ立ててみろってんだ!
弟子:
すみません!
貧乏人である我々の「突き上げ」が
不十分で。
先生:
そうだ!
さあ、貧乏人よ、この「むしろ旗」を持って、
街頭に出よ!!!!
弟子:
(やはり、アドレナリンが出過ぎているよう
だな。)
弟子:
今度は、「ぬくぬくとお育ちになったお坊ちゃん
には、分からんだろうが、ひもじい感覚っての
は、ややもすると習慣化して来るんだよ」の
「ぬくぬくと育つ」「自分がいかに恵まれている
かが分からない」ですが・・・?
先生:
“养尊处优 yǎngzūnchǔyōu”
“身在福中不知福
shēnzàifúzhōngbùzhīfú”
“生在福中不知福
shēngzàifúzhōngbùzhīfú”
などと言うな。
“他们的生活条件那么好,
简直是身在福中不知福。”
を訳してご覧。
弟子:
「彼らは、生活に恵まれすぎていて、
まさに自分達がいかに幸せかが、
見えていないんだ。」
先生:
人は、通常、いつ頃から、自分の幸福度が
見えて来るものなのだろうか?
弟子:
そうですねー、私の場合は、生まれて3ヶ月目、
お隣の同輩が、「ほとばしる母乳」をたらふく飲
んでいるのを目撃した時からですね。
先生:
なるほど。
それで、わしが「ミルク」を飲んでいると、君は、
いつもじっと見つめているって訳か。
弟子:
先生、ついでに、「濡れ場」って、どう言います?
先生:
あー、「洗い場」のことかな?
弟子:
とぼけないでくださいよ。
男女が、
“云雨之交”
をする場面ですよ。
先生:
なんだ、君、そんな品位のある言葉を知って
いたのか?
弟子:
日中辞典では、
“艳情场面 yànqíngchǎngmiàn”
ってなっていますが・・・。
先生:
それも、いいが、
“激情床上戏 jīqíngchuángshàngxì”
なんかも、真に迫っていていいんじゃないかな?
弟子:
確かに、「くんずほぐれつ」って感じがしますね。
先生:
?????!!!
弟子:
先生、「濡れ衣をはらす」は、どう言いますか?
先生:
「濡れ衣を脱ぐ」じゃないんだね。
“伸冤 shēnyuān”
じゃよ。
弟子:
ちょっと、失礼。
『中日大辞典』 無実の罪を取り除く、
冤罪をすすぐ
『中日辞典』 ①冤罪をすすぐ、ぬれぎぬを晴らす
②自分が無実であることを訴え出る
『中国語辞典』 ①冤罪をそそぐ
②自分の冤罪を申し立てる
先生:
「そそぐ」か「すすぐ」か、どちらかにして欲しいな。
弟子:
確かに。
洗濯では、普通、「すすぎ洗い」って言いますから、
「すすぎ」と言っておけば間違いありませんよ。
先生:
歴史上、「大冤罪事件」というのがごまんとあるな。
弟子:
そうですよ。
私は、ソクラテスの妻やトルストイの妻が悪妻だと
言われているのは疑わしいと見ています。
先生:
なぜかね?
弟子:
人間、外面だけでは判断できないものですから。
先生:
なるほど。
じゃー、君、それを証明してやってくれよ。
弟子:
先生、ところで、中国のドラマによく、
“冤枉 yuānwang”
と叫ぶシーンがありますが、
あれって、「濡れ衣」のことですか?
先生:
「ぬれねずみ」?
「ずぶぬれ」?
弟子:
「エンザイ」のことですが・・・。
先生:
”酵素”?
弟子:
先生、時々、先生と話をしていると、ソクラテス先生、
カント先生、ヘーゲル先生と話をしている気分に
なりますね。
先生:
そりゃー、光栄の極みじゃよ。
で、さっきのは「冤罪」のことじゃろう?
日本語は、文学的表現が過ぎるな。
「他人に罪を押しつける」位でよいだろうが。
「濡れたマントをかぶせる」などというのは、
「ひょんなことから濡れ場に出くわしてしまい、
濡れ衣を着せられるのが怖くて、取るもの
も取りあえず、ほうほうの体で、春雨の降り
しきる中を逃げ帰って来た・・・」などといった
文学作品の中だけにして欲しいな。
弟子:
文学作品???
先生:
中国人には、この漢字をいくら眺めていても、
「冤罪」のイメージは湧いて来ないな。
弟子:
先生、そりゃー、我々の先輩に対するとんだ
「濡れ衣」ってもんですよ。