都合により
弟子:
今度は、「都合により、本日のコンサートは
中止とさせていただきます」の「都合により」
ですが・・・?
先生:
ひどい話じゃな。
“因故 yīngù”
などと言うな。
弟子:
例文をお願いします。
先生:
“昨天,总经理因故取消出席会议。”
弟子:
「昨日、総経理は、都合により会議出席を取り止めた。」
先生:
こう言われると、「勘ぐり」たくなるよな。
弟子:
今度は、「都合により、本日のコンサートは
中止とさせていただきます」の「都合により」
ですが・・・?
先生:
ひどい話じゃな。
“因故 yīngù”
などと言うな。
弟子:
例文をお願いします。
先生:
“昨天,总经理因故取消出席会议。”
弟子:
「昨日、総経理は、都合により会議出席を取り止めた。」
先生:
こう言われると、「勘ぐり」たくなるよな。
弟子:
今度は、「つかみどころがないのは、女性の
ハートだけかと思っていたら、そうでもないな。
男性、それも、同年代でも、結構むずかしい
な」の「つかみどころがない」ですが・・・?
先生:
“难以捉摸 nányǐzhuōmō”
“虚无缥缈 xūwúpiāomiǎo”
などと言うな。
弟子:
ちょっと、失礼。
“虚无缥缈 xūwúpiāomiǎo”
『中日大辞典』 <成>茫漠として限りないさま、
茫漠として雲をつかむよう
である
『中日辞典』 <成>茫漠として限りないさま、
漠然としていて雲をつかむ
ようである
『中国語辞典』 <成>茫漠としてつかみどころが
ない、
はっきりせず雲をつかむよ
うである
『50+630』 なし
先生:
この世の中の全てが、はっきりと形に現れて
しまったら、さぞかし味気ないだろうな。
「さー、これが、わしの君に対する思いだよ。
スケッチしてご覧。」
「さー、これが、私がほくそ笑んでいる時の
大脳の形だよ。」
・・・・・・・・・・・・・
「さー、これが、この場所に取りついている
守護霊が上機嫌の時の血管収縮のあり
様だよ。」
弟子:
止めてください!
見たくありません!
弟子:
今度は、「人類は、次から次へと襲いかかって来る
厄災に対処しなければならない」の「次々に」「次か
ら次へと」ですが・・・?
先生:
“陆续 lùxù”
“接二连三 jiē’èrliánsān”
“接踵而来 jiēzhǒng’érlái”
“络绎不绝 luòyìbùjué”
“一个接一个 yīgejiēyīge”
などと言うな。
弟子:
災害も、犯罪も、戦争も、疫病も、・・・・訴訟も、
夫婦喧嘩もない世の中は、いつ来るのでしょう
か?
先生:
それは、「ないものねだり」、望む方が無理だよ。
特に、「夫婦喧嘩」は、絶えることはないと覚悟
すべきじゃよ。
夫婦の「利害対立」は、結婚前から運命づけら
れているんだからな。
弟子:
先生、随分と実感がこもっていますね?
先生:
そりゃー、長生き者の役得で、12回も結婚、
10回も離婚したんだから、多少は、賢くなっ
たさ。
弟子:
12回で、10回?
先生:
あー、「事実婚」が1回あったからな。
弟子:
?????????????????
弟子:
今度は、「お二人さん、どちらへ?さー、つかまえたぞ!」
の「つかまえたぞ!」ですが・・・?
先生:
どういう場面かね?
まさか、「ラブホテル」の前じゃあないだろうな?
弟子:
そうですよ。
先生:
“我逮着了 wǒdǎizháole ”
“被我逮着了 bèiwǒdǎizháole”
“给我逮着了 gěiwǒdǎizháole”
“让我逮着了 ràngwǒdǎizháole”
“被我给逮着了 bèiwǒgěidǎizháole”
などと言うよ。
弟子:
こういう場合は、一瞬が勝負ですね。
先生:
例えば?
弟子:
連れの男が、連れの女に、こう言う。
「あー、こんにちは。
ご夫婦で、こんなところへ?」
先生:
しらじらしい!!
弟子:
連れの女が、連れの男に、こう言う。
「あー、こんにちは。
よく、お会いしますね。
紹介が遅れましたが、こちらが連れ合いです。」
先生:
????
弟子:
或いは、連れの男が、連れの女にこう言う。
「やー、夫婦で、たまにはリフレッシュと思い
ましてね。
では、妻を呼びに行って来ますので、失礼。」
先生:
ややこしい!!!
分からん!!!!
弟子:
「今、米ドルが強含みなんで、売ってしまおうかと
思ってます」の「強含み」ですが、どう言いますか?
先生:
“牛市 niúshì”
“看涨 kànzhǎng”
“坚挺 jiāntǐng”
などと言うな。
弟子:
でも、売るのはやめて、銀行に預けておこうかな?
先生:
銀行が破たんするかも知れないよ?
弟子:
じゃー、海外旅行に行って、使い切ってしまおうかな?
先生:
新型インフルで、渡航禁止になるかも知れないよ。
弟子:
じゃー、カタログにある、この商品を輸入しようかな?
先生:
「贋物」を、つかまされるかも、知れないよ。
弟子:
じゃー、いったいどうしろと言うんですか?
先生:
わしに、「満漢全席」をごちそうしてくれればいい
んじゃよ。
弟子:
今度は、「とにかく、あいつは、そつがなくて、つけ入る
スキがないんだよ」の「つけ入るスキがない」ですが・・・?
先生:
あー、
“滴水不漏 dīshuǐbùlòu”
“无懈可击 wúxièkějī”
などと言うな。
弟子:
ちょっと、失礼。
“滴水不漏 dīshuǐbùlòu”
『中日大辞典』 ①一滴の水も漏れない
②一分のすき間もないさま
『中日辞典』 <成>一滴の水も漏れない、
(話が)緻密でスキがないたとえ、
(人が)すし詰めになっているたとえ
『中国語辞典』 <成>(一滴の水も漏れない→)
(話などが)緻密ですきがない
『50+630』 なし
先生、政治家で、こういう人いると思いますか?
先生:
難しいな。
政治家は、黙っている訳にはいかないし、言えば
言ったで、「唇寒し、秋の風」じゃからな。
弟子:
何ですか、それ?
今、初夏ですが??
弟子:
今度は、「つまらない噂話」ですが、どう言いますか?
先生:
“闲言碎语 xiányánsuìyǔ”
じゃよ。
弟子:
ちょっと、失礼。
『中日大辞典』 くだらぬ噂話
『中日辞典』 <成>くだらない話、不平不満
『中国語辞典』 <成>根拠のない話、無責任な話、
つまらないうわさ話
『50+630』 なし
先生:
「つまらない」というが、「フィクション」「つくり話」ってのは、
存外面白いんだよ。
私が「シシュク」申し上げている『大言海』を書かれた
大槻文彦先生なんかも、「作り話」を毛嫌いされていた
らしいが、私は、面白いと思うな、先生には、申し訳ない
けど。
弟子:
「シシュク」?
先生:
「私淑」だよ。
弟子:
大槻文彦先生のことを知りたかったら、何を読めば
よろしいでしょうか?
先生:
この本じゃよ。
わしの「イチオシ」じゃよ。
『言葉の海へ』(高田宏、洋泉社MC新書)じゃよ。
わしの門下生は、必読じゃ。
弟子:
今度は、「ついてる」ですが、どう言いますか?
先生:
狐にでも憑かれたのかな?
弟子:
いえ、
「宝くじが、末尾の一桁違いで当たらなかったため、
多重債務者にならなくてすんだ。ついてる!」
「08:30を20:30と間違えたので、予定のフライト
に乗れずに事故に遭わずにすんだ。ついてる!」
「彼女が、『結婚して下さい』を『結婚できません』と
聞き間違えたので、結婚しないですんだ。ついてる!」
・・・・・・・・・
先生:
相当のひねくれ者か、粗忽者だな、この人物は。
弟子:
こんな感じですかね?
“运气好 yùnqihǎo”
先生:
それでもよいが、もっと、ストレートのやつがあるな。
“命大 mìngdà”
じゃ。
弟子:
なるほど。
そう言えば、
“命苦”
って言葉もありますよね?
先生:
あるよ、あるよ。
わし及び一族郎党のことじゃよ。
弟子:
だったら、私も含まれてるってことですか?
弟子:
先生、中国語では、「穴」を意味する言葉には、
いろいろな言葉があることが分かりました。
でも、“穴 xué”は、どうでしょう?
『中日大辞典』 ①洞、洞窟、獣や悪人の巣窟
②墓穴
③人体組織上の筋・肉・骨・内臓など
の接続している点
④ちらっと見る
⑤姓
『中日辞典』 ①穴、洞穴、動物の巣
②墓穴
③<中医>人体に針を打ったり灸をすえ
たりするつぼ、灸つぼ、穴(けつ)
④姓
『中国語辞典』 ①穴、洞穴、(動物の)巣
②墓穴
③(針灸の)つぼ
④姓
とありますね。
先生:
中国人は、この字を見ると、まずは「つぼ」を思い浮かべる
な。
「つぼ」のことは、
“穴位 xuéwèi”とも言うな。
弟子:
先生、日本語の、
「つぼを見つける」 、
「つぼを押える」(要点をつかむ)
は、それぞれ、どう言いますか?
先生:
“找到穴位 zhǎodàoxuéwèi”
“抓住要点 zhuāzhùyàodiǎn”
じゃ。
先生:
日本の街を初めて歩いた時、私は、カルチャー・
ショックを受けたんだよ。
何しろ、日本は、いたるところに詩が貼られてい
たんでね。
弟子:
詩ですか?
先生:
「月極格安」
だよ。
“皓月当空,格外安静”
なかなか良くできているじゃないか。
弟子:
なるほど、誤解の極め付けですね。
先生:
そうなんじゃ。
本当の意味が分かって、二回カルチャーショックを
受けたよ。
まさか、これが、
“停车费按月算,非常便宜”
という意味だなんてねー。
「空有有料」なんてのもあったけど、こちらは、
いただけないね。
弟子:
先生、でも、事実日本には詩人が大勢いますよ。
五・七・五の短い詩ですが。
先生:
知ってるよ。
「ふるいけや かわずとびこむ みずのおと」
だよね。
弟子:
この句は、中国語に訳すと、どうなりますか?
先生:
そのうち、やってみようや、一緒に。