イデア論
弟子:
今度は、少し毛色が変わりますが、西洋哲学に関する
言葉を取り上げたいのですが・・・。
先生:
いいよ。
まず、誰から行こうか?
弟子:
何と言っても、まずは、「ソクラテス」、「プラトン」を取り上げ
ない訳にはいきませんね。
で、「プラトン」の「イデア論」は、どう言いますか?
いや、その前に、中国でも西洋哲学の研究はされているの
でしょうか?
先生:
もちろん、研究は盛んじゃよ。
何たって、中国人は、「人間」や「社会」や「国家」に対して、
興味津津だからね。
で、お尋ねの件、
「プラトン」は、
“柏拉图 Bólātú”
「イデア論」は、
“理念论 lǐniànlùn”
というよ。
弟子:
これでは、一般的に使われている「理念」という言葉と
混同してしまいませんか?
日本語は、それを避けるために、わざわざ、「イデア論」
と外来語の形を取っていますが。
先生:
仮に、「理念」という元々ある漢字を使わず音訳したと
しても、その内容に関しては、
“柏拉图的理念论”
として、改めて理解しなければ意味がないので同じだよ。
弟子:
でも、インドから伝わった「仏教経典」には、音訳語が
多いですよね。
例えば、
“般若”
“三藐三菩提”
など。
先生:
まー、それは、初めてこの仏教哲学用語を中国語に持ち
込んだ人の「匙加減」ということだろうな。
というより、母語に適当な言葉が見当たらなかったから
だろう、きっと。
先輩達も、苦労しただろうな。
弟子:
なるほど。