濡れ衣
弟子:
先生、ところで、中国のドラマによく、
“冤枉 yuānwang”
と叫ぶシーンがありますが、
あれって、「濡れ衣」のことですか?
先生:
「ぬれねずみ」?
「ずぶぬれ」?
弟子:
「エンザイ」のことですが・・・。
先生:
”酵素”?
弟子:
先生、時々、先生と話をしていると、ソクラテス先生、
カント先生、ヘーゲル先生と話をしている気分に
なりますね。
先生:
そりゃー、光栄の極みじゃよ。
で、さっきのは「冤罪」のことじゃろう?
日本語は、文学的表現が過ぎるな。
「他人に罪を押しつける」位でよいだろうが。
「濡れたマントをかぶせる」などというのは、
「ひょんなことから濡れ場に出くわしてしまい、
濡れ衣を着せられるのが怖くて、取るもの
も取りあえず、ほうほうの体で、春雨の降り
しきる中を逃げ帰って来た・・・」などといった
文学作品の中だけにして欲しいな。
弟子:
文学作品???
先生:
中国人には、この漢字をいくら眺めていても、
「冤罪」のイメージは湧いて来ないな。
弟子:
先生、そりゃー、我々の先輩に対するとんだ
「濡れ衣」ってもんですよ。

