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2008年5月21日 (水)

空は広々としている

弟子:

では、最後の部分に入りますが、中国語は、

英語の品詞論ではとらえられないところが

ありますよね。

「歴史の天空の広さと青さ」と私が訳した

部分ですが、原文は、

历史天空的辽阔和蔚蓝。”

です。

これが、

“辽阔和蔚蓝的历史天空”

となっていれば、もっとわかりやすいというか、

日本語に直しやすいのですが・・・。

先生:

「品詞」?

そんなことで悩むのは愚の骨頂だよ。

これは、君の言うように、

“辽阔和蔚蓝的历史天空”

の意味だよ。

日本語でも、

「歴史の天空の広さと青さ」

「歴史の天空が広くて青いということ」

とどちらも言うだろう?

弟子:

ですが、時々中国語の所謂「形容詞」を「名詞」に

訳すことに戸惑いを感じるんですよ。

先生:

君の言わんとするところは、分かるが、くだらんよ。

中国語の所謂「形容詞」を、すべて、「・・・ということ」

と訳せば別に問題なかろう。

そんなの、個人の好みだよ。

それに、いつまでも英語を引きずっていては、本物

の中国語は話せないぞ。

弟子:

分かりました。

先生:

ところで、こういう慣用句を知っているかな?

“退一步,海阔天空

弟子:

ちょっと、失礼。

 『中日大辞典』 なし 

 『中日辞典』  なし

 『中国語辞典』 なし

 『50+630』  一歩退けば、そこには広々とした世界が

           ある

でも、

“海阔天空 hǎikuòtiānkōng

でしたら、ありますね。

 『中日大辞典』  <喩>茫漠として限りのないこと、

            また、度量が大きくわだかまりのないこと、

            [転] (文章や考えの)とりとめのないこと 

 『中日辞典』    <成>大自然の広々としたさま、

            考えることや話すことが何の束縛や制限も

            受けないたとえ

 『中国語辞典』  <成>海のように広々と空のように果てのない、

            (話・議論・想像などが)果てしもなく広がり

             自由奔放である

先生:

いいかい、この文章を書いている人も、この文章を読む人も

どちらも、この言葉はよく知っているはずだよ。

さー、以上を踏まえて、君の全文訳を披露してみてくれ。

弟子:

ハイ。

少し、言葉を足しておりますが、

 「我々は、冷酷悲惨な歴史的事実を、徐々に頭の片隅に

  追いやろうとしているが、それをしたからと言って、原則

  を放棄した訳でもなく、また歴史的事実を棚上げし、

  忘れてしまおうという訳ではない。ただ、歴史問題がこれ

  以上の障害となり前に進めないことがないようにするだけ

  だ。

  もしそうしなかったとしたら、両民族は、永遠に、歴史という

  ものが広々として青々とした天空のように無限の可能性を

  秘めたものであることを知る機会を失ってしまうであろう」

先生:

うん、さすが、我が弟子じゃ。

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